変動金利から固定金利への借換えのメリット・デメリット

住宅ローンを検討中の方からよく寄せられる質問の一つに「変動金利から固定金利への借換えはどうか?」というものがあります。
特に、変動金利で住宅ローンを検討している人や、すでに変動金利で住宅ローンを返済中の方の中にも「金利が上がった時に固定金利に切り替えるのはどうだろう?」と考える方も多いのではないでしょうか。

変動金利・固定金利のメリットとデメリット

変動金利は、金利の低さが魅力ですが、一方で将来の金利上昇リスクを伴います。それに対して固定金利は安心感が得られる分、初期の金利が高く設定されがちです。
それぞれメリット・デメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。

変動金利のメリットとデメリット

変動金利のメリットは、相対的に固定金利よりも金利が低い傾向があり、市場の金利動向に応じて返済額が減少する可能性があることです。そのため、金利が低い時期には恩恵を受けやすいです。
しかし、デメリットとして、金利上昇時には返済額が増加し、家計に大きな影響を与えるリスクがあります。
また、返済の予測が難しいため、長期間の計画には向かない場合があります。このため、変動金利は短期的な返済を計画する人や、家計の資金に余力がある人に向いているといえるでしょう。

固定金利のメリットとデメリット

固定金利の最大のメリットは、返済額が一定であるため毎月の支出を安定的に管理できることです。
デメリットとしては、一般的に初期金利が高めに設定されています。そのため、市場金利が下がった場合にもその恩恵を受けにくい可能性があります。

固定金利への借り換えのメリット

固定金利への借り換えは予測不能な金利上昇リスクから解放されることで安心感をもたらし、また毎月の返済額が固定されるため、家計管理もしやすくなります。
この点から、将来の不確実性を避けたい方にとっては非常に大きなメリットがあります。
さらに借り換えによって団体信用生命保険(団信)の保障内容を充実させることができる場合もあります。

金利上昇リスクの回避

最大のメリットは、金利上昇リスクを避けられることです。
変動金利は市況に応じて金利が変動し、予測が困難です。固定金利を選ぶことで、将来的な利上げによる返済額増加の不安を払拭できます。特に、経済が不安定な時期や金利の上昇が予測される場合には、固定金利への借り換えが有効です。
ただし、一般的には変動金利より固定金利のほうが先に金利が上がります。変動金利が今よりも大きく上昇した頃には、既に固定金利も大幅に上がっている可能性が高いため、変動金利が上がり切る前に固定金利へ借り換えたほうが良いでしょう。

返済計画の立てやすさ

固定金利は毎月の返済額が一定であるため、家計における返済負担を明確に把握できます。
家計を安定させることで、子どもの進学、退職後の生活など、他の支出や老後に備えて計画的に貯蓄をすることが可能です。

固定金利への借り換えのデメリット

固定金利型の住宅ローンへの借り換えは、安定した返済計画を立てられるという大きな利点があります。
その反面、健康状態によっては団体信用生命保険(団信)に加入できなくなるなど、注意が必要な点も存在します。

初期費用の負担

固定金利に借り換える際には、手続きにかかる費用をしっかり理解しておく必要があります。
具体的には、事務手数料や印紙代、保証料、さらには抵当権の設定変更に伴う司法書士費用などが発生します。
(初期費用の概算:借入残高3000万円だと90万円程度。財住金で借り換えた場合は融資手数料定額型で26万円程度)
これらの費用を合算すると、一時的にまとまった資金が必要となるため、家計の負担が一時的に増す可能性があります。また、この費用が借り換えによる節約額を超えてしまう場合、結果的に借り換えが不利になることも考えられます。
そのため、事前に初期費用をしっかり計算し、総合的な費用対効果を確認することが重要です。

金利が高くなる可能性

固定金利は金利が一定であるため、将来の金利上昇リスクを避けられる安心感が得られます。
しかしながら、市場の変動に左右される変動金利型と比較すると、一般的に固定金利は金利が高く設定されています。そのため、毎月の返済額が変動金利型に比べて高めになるケースが多いです。
現在の金利水準や返済計画を見直し、自分に合った金利タイプを選ぶことが重要です。

変動金利から固定金利への借り換え まとめ

メリット デメリット
・金利上昇局面での金利の変動リスクがない(返済額が上がらない)「絶対的な安心感」
・「返済額が完全固定費」となり、教育費や老後資金等のライフプランが計画し易い
・団信保障内容のグレードアップ
・返済額が上がる可能性がある
・初期費用の負担がある
・全額繰上返済の手続きや新しい住宅ローンの申込み手続きなどの手間がかかる
・健康状態によっては団信に加入できない

財形住宅金融では借り換えのご相談も承っております。
現在返済中の住宅ローンの返済表をご準備いただければ、シミュレーションのうえ、必要な費用も含めた借り換えのメリット・デメリットをお伝えできます。

動画で学ぶ 「変動金利から固定金利への借換えはうまくいく?」
動画で学ぶ 「変動金利のメリット・デメリット」

※掲載内容は2025年2月時点のものです。
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